「なぁ愛心ちゃん!どうしたの?なんかあった?」




寛貴くんは心配した口調で聞いてくる。



「聞いてない?優矢がモデルになるんだって…しばらく会えないから『頑張って!』を言いに行くの―ごめんね…まだ言って無かったね」



「えっ…」


寛貴くんはめちゃくちゃ驚いた表情であたしを見ている。



そりゃぁそうだよね…


だって大切な親友が…もうモデルになるなんて…嬉しい気持ちもあるけど…会えない寂しさもある。

複雑な気持ちだもんね…



椎奈と葵とは玄関で待ち合わせ。

今は休憩時間だから予備校を出てお昼ご飯を食べに行ってもいいから全然バレない。



けど、後で必ず怒られるけどね笑


でも今大切なのは優矢だもん!!

「愛心!先生の了解もらったよ!だから早く行こう!」



さっき、『えっ…』みたいな顔をしていた椎奈が今は早く行こう!


って言っている。


やっぱり椎奈も簡単に手放したくないもんね。


「OK!じゃぁ行こう!」

あたし達は駅までダッシュをし始めた。