”お礼をいただきますよ。お礼は簡単です。大人しく、私に抱かれればいいだけです”
一瞬にして、フラッシュバックした。
あの時の光景がよみがえった。
「いやぁ!」
あたしは、思わず大山先輩を突き放した。
「欄?」
大山先輩が、驚いて、あたしの手首を掴んだ。
「いやぁ!放してっ!」
あたしの声に高遠先輩が、急ブレーキをかけ振り向き、大山先輩の頭をバコッと叩いた。
「仁!なにサカってんだよ。欄が嫌がってんだろ」
「違うって!突然怯えたんだよ。欄!しっかりしろっ!欄っ!!」
「あ……」
あたしは、大山先輩の声で正気に戻った。
「あ……。す、すみません……なんでも……なんでも、ないんです」
「欄……」
「ホントに……。大丈夫ですから」
あたしが、笑って答えたから、大山先輩は、それ以上聞かなかった。
高遠先輩も、また車を発進させた。
あたしは……。
大山先輩に愛してもらうしかくなんてナイ……。
あたしは……。
裏切ったんだ……。
あたしは……。
孔明師範に……。
孔明師範に……。
それに……。
大山先輩があの時キスしたのは、一時の感情で、愛情なんかじゃない……。
あきらめるなら今だ。
決めたんだから。
あたしは、大山先輩の想いも知らず、ひとつの恋を終わらせようとしていた。
―おわり―
一瞬にして、フラッシュバックした。
あの時の光景がよみがえった。
「いやぁ!」
あたしは、思わず大山先輩を突き放した。
「欄?」
大山先輩が、驚いて、あたしの手首を掴んだ。
「いやぁ!放してっ!」
あたしの声に高遠先輩が、急ブレーキをかけ振り向き、大山先輩の頭をバコッと叩いた。
「仁!なにサカってんだよ。欄が嫌がってんだろ」
「違うって!突然怯えたんだよ。欄!しっかりしろっ!欄っ!!」
「あ……」
あたしは、大山先輩の声で正気に戻った。
「あ……。す、すみません……なんでも……なんでも、ないんです」
「欄……」
「ホントに……。大丈夫ですから」
あたしが、笑って答えたから、大山先輩は、それ以上聞かなかった。
高遠先輩も、また車を発進させた。
あたしは……。
大山先輩に愛してもらうしかくなんてナイ……。
あたしは……。
裏切ったんだ……。
あたしは……。
孔明師範に……。
孔明師範に……。
それに……。
大山先輩があの時キスしたのは、一時の感情で、愛情なんかじゃない……。
あきらめるなら今だ。
決めたんだから。
あたしは、大山先輩の想いも知らず、ひとつの恋を終わらせようとしていた。
―おわり―

