「え？!」
元カノ？
え………
じゃあ推測するに
翔は好きな人を奏君にとられたから嫌ってる？みたいな
「そんなことよりさ 梨紗ちゃん」
「……何よ？」
我にかえる
「梨紗ちゃん 翔といとこじゃないんでしょ？」
「………なっ」
なんでバレてるの？!
「ち……違うよ 何言ってんの？」
「嘘つかなくていいよん わかっちゃったんだからさ」
「……嘘じゃないってば」
「昨日 壱琉から聞いたの」
「……。」
あの時か
壱の馬鹿ぁ
「他人なのに一緒に暮らしてるんだね」
「……悪い？」
開き直ってみる
ジリジリと距離を縮めてくる奏君
こわいってば
あたしは少しずつ後ろに下がった
「みんなが知ったらどうなっちゃうかな？もう翔とは暮らせないね」
後ろに下がってるうちに
カツン
と踵が本棚にぶつかった
「ちなみに壱琉とは付き合ってないっしょ？」
「……。」
「これは俺の勘」
「……。」
答えない
中野 奏
恐るべし
「みんなには言わないで」
「ん？どうしよっかなぁ」
「お願い」
あたしは極力視線を合わせず言った
