久しぶりの朝からの登校は気持ちいいものだったようだ。久しぶりの早い時間の外は空気が澄んでおり、心地よい涼しさが戸部の体を満たす。復讐の第一歩を果たすには、とてもいい日だと戸部はさわやかな気持ちになった。ほどなく、戸部は学校に着いた。教室に入り、教科書とノートを出す。声を掛けるものはほとんどいない。皆なんとなく、しかし確実に戸部を忌避している。戸部は何食わぬ顔で、昼休みを心待ちにしながら授業に臨んだ。
昼休み。悟られないように、小崎の行く先を追う。記憶どおり、シューズバッグを持って小崎は教室を出ていった。それを見て、戸部もそれを追う。ぼんやりしていては昼食のツマとして晒され笑われてしまう。当事者はそれを「いじる」という。
体育館に着いた戸部は、用意したクロロホルムを使い古しのハンカチに染み込ませ、階段を上がる。トレーニングルームの裏へ回った。部屋からは、人の話す声が漏れていた。小崎と、体育教官が話をしている。戸部はイライラしながら、焦りを抑えつつ体育教官が出て行くのを待った。
「(来た!)」
昼休み。悟られないように、小崎の行く先を追う。記憶どおり、シューズバッグを持って小崎は教室を出ていった。それを見て、戸部もそれを追う。ぼんやりしていては昼食のツマとして晒され笑われてしまう。当事者はそれを「いじる」という。
体育館に着いた戸部は、用意したクロロホルムを使い古しのハンカチに染み込ませ、階段を上がる。トレーニングルームの裏へ回った。部屋からは、人の話す声が漏れていた。小崎と、体育教官が話をしている。戸部はイライラしながら、焦りを抑えつつ体育教官が出て行くのを待った。
「(来た!)」

