相変わらず、大塚の周りには男が常にいる。トイレに連れ立つときは必ず女子集団になるのは言わずもがな。男子集団と女子集団の間で自由に行き来する姿を見て、戸部は天性の能力なのではないか、などと考えていた。
機会は5限目に訪れた。お手洗いに立つ、と言って出て行ったが、昼休みにも行っていたのにそんなはずは無い。戸部はまた小芝居を打って、教師に許可を得て教室を出た。
戸部が教室を出たとき、大塚は廊下の端にいた。気づかれないように早足で追う。大塚は階段を上がり、屋上へ出るドアの前で携帯電話を取り出し、通話し始めた。会話が終わるのを見計らい、戸部は両手にゴム手袋をし、スポンジにクロロホルムをたっぷりと染み込ませた。一気に大塚に近づき、スポンジを口に押し込む。大塚は数秒顔を歪めたがすぐに昏睡状態に陥った。とどめに、顔にクロロホルムをぶちまける。
「やった!」
戸部は歓喜に打ち震えた。力を失った大塚の体をすぐには見えない場所へと移動し、服を脱がせていく。スカートの構造がわからず多少手間取ったが、脱がせることが出来た。改めて戸部は大塚の顔を見る。
大塚の唇は赤く腫れあがり、顔全体が白くひび割れている。鼻からはかすかに血が出ている。
「ひいっ」
怖くなった戸部は、急いで保健室へ駆け込んだ。自分は最初から保健室で寝ていた、自分は最初から保健室で寝ていた、自分にそう言い聞かせながら、大塚のことについて考えた。
「(なんだあれ……?一時的な副作用だろうか、倒れただけだからちゃんと目は覚めるよな)」
ただただ無性に怖かったが、揮発したクロロホルムを吸い込んで朦朧としていた戸部は、そのまま寝てしまった。
機会は5限目に訪れた。お手洗いに立つ、と言って出て行ったが、昼休みにも行っていたのにそんなはずは無い。戸部はまた小芝居を打って、教師に許可を得て教室を出た。
戸部が教室を出たとき、大塚は廊下の端にいた。気づかれないように早足で追う。大塚は階段を上がり、屋上へ出るドアの前で携帯電話を取り出し、通話し始めた。会話が終わるのを見計らい、戸部は両手にゴム手袋をし、スポンジにクロロホルムをたっぷりと染み込ませた。一気に大塚に近づき、スポンジを口に押し込む。大塚は数秒顔を歪めたがすぐに昏睡状態に陥った。とどめに、顔にクロロホルムをぶちまける。
「やった!」
戸部は歓喜に打ち震えた。力を失った大塚の体をすぐには見えない場所へと移動し、服を脱がせていく。スカートの構造がわからず多少手間取ったが、脱がせることが出来た。改めて戸部は大塚の顔を見る。
大塚の唇は赤く腫れあがり、顔全体が白くひび割れている。鼻からはかすかに血が出ている。
「ひいっ」
怖くなった戸部は、急いで保健室へ駆け込んだ。自分は最初から保健室で寝ていた、自分は最初から保健室で寝ていた、自分にそう言い聞かせながら、大塚のことについて考えた。
「(なんだあれ……?一時的な副作用だろうか、倒れただけだからちゃんと目は覚めるよな)」
ただただ無性に怖かったが、揮発したクロロホルムを吸い込んで朦朧としていた戸部は、そのまま寝てしまった。

