鞍玲は目を開けて携帯電話を見る。自由に操作できる。焦る気持ちを抑えて受信メールと送信メールを行き来する。慣れない操作に手間取りながら、周りの音に気をつけながら。
「心配する必要は無い。今、教室の外の時間は極めて遅い速度で流れている。無限小と考えていい」
「???」
「とにかく終わったら言え」
ズボラな性格が反映されて、ろくに振り分けもされていないメールボックスを仕方なく全て見る。怪しいものは無い。親。レンタルCD店。小学校。バイト先。作業は終わった。
「……終わったよ」
「そうか」
周囲に喧騒が戻る。
「(時間が止まってるって話本当だったんだ……)」
帰ってくる。何事も無かったかのように自らを落ち着ける。何事も無かったように振舞う。
「ごめんなちょっと部活の顧問につかまってさ」
「ううん、なんでもない」
「……?なんかした?」
「うん?なんにも?」
「そっか」
世界がモノクロームになる。
「心配する必要は無い。今、教室の外の時間は極めて遅い速度で流れている。無限小と考えていい」
「???」
「とにかく終わったら言え」
ズボラな性格が反映されて、ろくに振り分けもされていないメールボックスを仕方なく全て見る。怪しいものは無い。親。レンタルCD店。小学校。バイト先。作業は終わった。
「……終わったよ」
「そうか」
周囲に喧騒が戻る。
「(時間が止まってるって話本当だったんだ……)」
帰ってくる。何事も無かったかのように自らを落ち着ける。何事も無かったように振舞う。
「ごめんなちょっと部活の顧問につかまってさ」
「ううん、なんでもない」
「……?なんかした?」
「うん?なんにも?」
「そっか」
世界がモノクロームになる。

