「うそつけ
 何にもないなら泣かないだろ?」


「・・・・・・」


「言いたくないか?」


「・・・・・・」


「・・・・山田とか?」






コクン・・・



あたしは静かに頷いた





「そっか・・・
 何されたんだ?」


「・・・キスされました」


「無理矢理か?」


「う・・ひっく・・・」





ダメだ・・・




思い出しちゃうと


涙出てくる・・・






「そっか・・・
 お前らのことは付き合ってたって
 知ってたからなぁ

 まさかとは思ったけど」


「・・・なんで
 うっ・・知って・・るんですか?」


「ん?
 山田はバスケ部だからな
 よく話を聞いてたんだよ
 別れたってこともな」





圭介


先生にまで言ってたんだ・・・






「泣いてるってことは
 嫌だったんだ」


「はい・・・」


「もう山田が嫌いか?」


「はい・・・」


「そうか・・・
 じゃあ 辛かったな」






あたしはその場に座り込んで

先生の前で


大きな声で



しばらく泣いていた



先生はよしよしって頭を撫でてくれてた




その手が優しかったんだ


温かかったんだ