「まっすぐ歩くことを夢みています。」


そう言い切ったあの人の瞳に、私は今も、縛られたまま。


どこにも行くことなんかできなくて、過ぎ去る日々も形にできず。


今日もただ、息をすることだけで、終わっていく。

本当は、私も。言えばよかったなんて。


何度 考えても、後悔にしかならず。


意味なく時は巡り、再び出会ってしまった。


「まっすぐ歩くって難しいですね。」


困ったように笑うあの人の瞳で、私はまた縛られる。