色彩と白夜

裸になって初めて分かる、麻弥の心がある。

背中からお尻にかけて、一面に刻まれた『おいらん』の刺青。

色鮮やかな着物を纏ったその『おいらん』は、頬に傷をがあり、涙を流している。

色彩豊かな着物の裾は破れていて、その前身頃の部分に香月と華慧の名前がある。

…その『おいらん』は、麻弥、いや、華緒自身なのだ。


「あたしの背中に、
華緒の人生全てを
詰め込んでください。
今日限り、華緒は
この世から消えます。
死ぬんやから…」


彫り師にそう伝えた。