「……風羽ちゃん………」
伊織くんの顔が哀しそうに歪む
そんな顔しないで
私は大丈夫だよ
「なんか、スッキリしちゃったな」
私が明るく笑いながら言うと
「……風羽ちゃん…オレ…」
泣いちゃ ダメ
泣いたら 伊織くんが傷つく
私は伊織くんの背中を優しく押してあげたい
彼のこれからに私の思い出が重たくならないように
伊織くんの幸せのために
「風羽ちゃん…」
「ほら、伊織くんもう帰って」
まだ そばに いたい
せめて朝が来るまで
だけど これ以上
一緒にいたら涙 見られちゃうから
「でも風羽………」
「行ってよ、もう……!」
私は叫んで伊織くんに背中を向けた
またカーテンを掴んで
夜空に舞う白い雪を見つめる



