ふと



カーテンのかかった窓を見る




青白い光が入る




夜と朝の間




まるで時間が
止まってるような空間




そっか




私の心も そうなんだ




「伊織くん」



訊きたい事があった




「春の雪が降った日

どうして空羽に声をかけたの?」




茜音さんがいたなら
伊音くんがいたなら



どうして空羽に……



「出逢った頃の茜音は
髪が長くて……………

後ろ姿がすごく似てたんだ」




そうなんだ


後ろ姿が茜音さんに……




「辛かったんだ

茜音との親子ごっこ

伊音との兄弟ごっこ」




「じゃあ……結局、空羽でも私でも どっちでも良かったの?」




空羽じゃなく私が好きだ



そう言ったのに




伊織くんは しばらく黙りこんで



うなずいた




「疲れてた、すごく。

そばにいて欲しかった

オレは弱いんだ

逃げ場所が欲しかった」