「風羽は関係ない。オレが独断で試したんだ」
伊織くんが本当に風羽が好きなら
風羽を守る役目は
伊織くんに渡したい
でも違うなら………
空羽の願いのために
風羽と伊織くんを別れさせる
「オレは風羽ちゃんが好きだ」
真剣な表情で言う伊織くん
だけど視線は自分のひざ
オレの目を見ない
「じゃあ……風羽を抱かないのは…あの事を気にして?」
「あの事?」
「あれ?風羽が出来ないって知ってるんだよね?」
「オレは理由は聞いてないよ
それに知る気もない」
そっか
金森先生の事は知らないのか
「気にならないの?過去に彼女に何が起きたのか
オレだったら全て知りたいね
全て知った上で彼女の傷を癒そうと思う」
そう言ってオレがビールに口をつけると
「……くっ…くっくっ」
人をバカにするような笑い声が
聞こえてきた



