空羽の部屋は
全てそのまま残してある
ラグの上に座り
白い円いテーブルを挟んで
伊織くんと向かい合う
紅茶を一口 飲んだ伊織くんに
「ごめんね。甘い物、嫌いだったよね」
テーブルの上のショートケーキを見つめて言った
「………ううん」
伊織くんは静かにティーカップをテーブルに置いて
お仏壇に空羽の遺影を見て
リアルに感じたのか
神妙な面持ちだった
私はゆっくり口を開いた
「もう…会わない方がいいよね?私たち」
私の言葉に
「………どうして?」
真っ直ぐ私を見つめて訊く
「だって、そもそも伊織くんと空羽が出逢ったのであって、私は偽物で……
伊織くんの好きなのは やっぱり空羽であるべきで………」
話すうちに だんだん声が小さく
伊織くんの顔も見れなくなって
テーブルのショートケーキに乗ってる苺を見つめて言った



