マンションのガラスのドアに
二人、張り付いて
「ほら、あの路駐の黒いbB」
伊織くんは車から出て
助手席のドアに寄りかかり
車の中の伊音くんに笑いかけてた
「ほぉ……ひ弱な感じだけど
イケメンだな………」
てっちゃんの身体と比べたら
たいていの人間はひ弱に見えるって…………
「じゃ。もういいでしょう?
帰って…………」
「待てっ!風羽っ!」
ガシッ
てっちゃんは怖い顔して
私の腕をつかんだ
「えっ!なに?」
「まさか…あの男…………
若いクセに…子持ちかっ!」
あ…………
後部座席の伊音くんが見えたのね
「あの子は弟さん」
私の言葉に てっちゃんは
ほっ………とした顔して
「わかった。いいヤツそうだ
がんばって来いよっ!デート」
バシィッ
てっちゃんが私の背中を叩く
「痛いからっ!」
私は怒ってにらむと
てっちゃんは手をヒラヒラ振ってから階段を登って行った



