……わたしが、イヴの生命を……受け継ぐ……!!

心の奥底に感じる不思議な浮遊感。

海底の奥底に沈む神秘の水中花。

『カヅキ…わたしはほんとうはあなたを愛していたの』

あの声は………イヴ………!!

カヅキ……陣野火月……せん…せい……。

「イヴが甦るって、そしたらわたしは一体…どうなるの?」

「…わからない。君の体にそのままイヴの心が甦るのか、ほんとうはどこかで眠っているイヴが目覚めるのかは。その場合は、君の体が死滅する可能性は高い……」

「…死んじゃうってこと……?」

穂高は瞳を閉じて一呼吸置くと、意を決したように言った。

「…恐らく。君の体はイヴに捧げられるはずだ。陣野がイヴの欠片にキスをするとその欠片が君に移ったろう?そうやって奴はどんどん欠片を君の体に集めていくつもりだ。そして欠片にキスをされた者は君に生命を移して死んでいく。江島先生もきっと…もう助けられない」

…………江島先生が………!!!

わたしは顔を覆って硬直した。

「5人だ。10人のうちの5人の欠片が陣野によって集められれば君はイヴになる。その前に、オレは奴より先に少なくとも6人の欠片を集めなければならない。一人は間に合わなかったが、次は必ず……!」