保健室のドアのガラス窓から、思わず中を覗いた。

立ちながら絡みあう二人の男女の影にドクリと心臓が高鳴った。

江島先生の白衣のボタンをはずし、中の黒のカットソーの肩から胸を大きくはだけさせる陣野先生のしなやかな両手。

「……あ…はぁ…ん…陣野…先生…」

なまめかしい江島先生の声を抑えるように陣野先生がその赤いルージュの唇にキスをし、そのまま滑らかに首から胸へと唇を這わせていく。

……ドクン、ドクン、ドクン。

唇が震える。

体が凍ったまま動かない。

江島先生の唇を片手で塞いだまま、陣野先生の唇が、江島先生の胸の谷間にある薔薇のように赤みがかったアザに到達すると、江島先生は「…う…ふうう!!」と声を荒げ、ビクンと体を震わせた。




…………嫌だ!!!


先生、こんなのって、ないよ―――――!!!


目を閉じて廊下を振り返り、全速力で走りぬける。



先生……先生………………陣野先生――――!!!