「入江」と呼んだ先生の声がさっきよりもよそよそしく感じられて、切なかった。

「イヴ」でも「入江」でもなく。




先生………わたしは、「神音」って呼ばれたい。






「神音、愛してるよ」って言ってくれたさっきの先生の言葉は、なんだか信じられなくて、枯れて海を漂う水中花のように、わたしの心に定まることはなかった。