時刻は19時30分になっていた。

約束の時間まであと30分というところで、わたしとレイは園田先生の別荘と思われる敷地内に入った。

小高い山の上にあるこの場所は、星が街中よりかなり近く感じられ、静けさも際立っていた。

この辺は別荘地のはずだけど、園田先生の別荘はかなりの敷地を庭に持っていて、周りにはほとんど民家は見られなかった。

「ここが、園田の別荘のようだね」

レイが先を歩きながら園田先生の別荘地へと入っていく。

わたしたちは車を近くで乗り捨て、歩いて園田先生の別荘に近づいていた。

別荘はとても大きく、一軒家の3軒分はありそうだった。

白い壁の4階建てで、4階には広いバルコニーが見えた。

陣野先生と沙耶の姿を探してみる。

だけど、辺りには人っ子一人見えなかった。

別荘の明かりも全て消されていて、人のいる気配が、ない。

わたしとレイは慎重に足音を消しながら前へ進む。

別荘の玄関ポーチまであと5メートルというところで、4階のバルコニーの明かりがぽっと点灯した。

立ち止り、見上げたバルコニーに映る2つの人影。

「…雪音!!!」