わたしたちは、これからギリギリまで沙耶を全力で探すことを誓った。

わたしはまずパパに連絡を取り、雪音と一緒にいるから心配しないでと告げた。

レイはヴァンパイアが多く暮らしている『製薬会社・ガイア』へ戻り、彼らへの協力を求めに行った。

穂高はわたしが疲れているだろうと、わたしを穂高の部屋のベッドに寝かせ、自分はリビングのパソコンでメールを打ち始めた。

カタカタとメールを打つ音がする。

穂高のベッドはちょっぴり緊張と、でも温かい彼の温もりに包まれているようだった。

ここ何日かの急激な日常の変化に、わたしはどっと疲れていたことを思い出した。

そういえば、風邪もひいていたけど、いろんなことですっかり頭の中から消えていた。

雪音の優しい笑顔が浮かぶ。

……雪……音……どこにも、行かないで……。



雪がしんしんと降り積もる。

白い雪にじわじわと広がっていく、鮮血。

『…お姉ちゃん……!!』

『雪音!!』

『…お前の体を…捧げよ』

『……雪音――――――――!!!!!』

ザシュ………!!!



「!?」

ハッと瞳を見開く。

「………夢……」

穂高のベッドの上で、片手で顔を覆って冷や汗を掻いていることに気づいた。

……嫌な夢だった。

前にも見たことがある。

とても、嫌な夢。

「神音…気づいたか?…ずいぶん、うなされてたぞ」