暗闇で、深紅に光り出すわたしの瞳。

それを見て、英一が怯えたように銃を震わせ言った。

「…あ…お、おに…鬼だ……!」

ガクガクと銃を震わせる英一が、思わずその引き金を引く。

「神音!!!」

穂高のわたしを呼ぶ声と、耳をつんざくような銃声が、同時に耳元で鳴り響いた。

泉水と彼女を抱きしめるわたしを包み込む広い胸。

穂高はわたしたちを横へ倒すと、そのまま覆いかぶさった。

その瞬間。

レイが英一の銃を奪い取り、彼の頭に電流を流しこむ。

「うぁあああああ!!!」

「ナンパの礼儀もわきまえない君には特別サービス。赤ん坊の知能のままで一生、女の子とのデートの楽しさも知らないまま生きるといいよ」

…お、鬼…!

レイが一番鬼なような気がしてきた。

「神音、大丈夫か?」

穂高がわたしを起こしながら言う。

「うん、わたしは大丈夫。それより、泉水を……!」

穂高は呻きながら倒れている泉水の右肩に触れる。

穂高の腕からバイオレットの光が薄く浮かび上がり、泉水の傷口からの流血が徐々になくなっていく。

「これで大丈夫だよ」

すうっと楽になったように蒼ざめていた顔がピンク色に変わっていく。

「でも、失血が多い。血の補給が必要だな」