「おいっっっ!!」

私の話し終るのと
ほぼ同時にキョーコの高い声が
教室中に響いた

「えっ…何?」

私のとぼけた顔を見て
キョーコはため息をついた

「もーそんなシステムあんならさー
最初から指名しろよ!
絶対アホやろ!
残り2回目の所でやっと活用すんのかよ!みたいな?」

キョーコらしいって言っちゃー
キョーコらしい意見が胸にグサッときた

「だって緊張するから…さ」


「じゃあ絶っっ対残りは指名しろだし!私は笹原先生じゃなきゃ授業受けません!イヤです!笹原先生以外はイヤー!って、」


…どんだけヒステリックだよ(笑)

っていうツッコミをした後に
私はキョーコと
指名予約をとる約束を
固く交わしたんだ。


…大丈夫、

きっと指名出来る。


放課後珍しく
誰とも寄り道しないで
真っ直ぐ家に帰った。

理由はもちろん…

指名するから

簡単に化粧を直して
教習所まで出発した。

時間をかける為に
ゆっくりゆっくり
歩きながら。

教習所までの光景…
何か好きなんだ。

車の通りが多い道を抜けると
一気に静かになる長い坂道
この坂道
小学生の通学路になってて
この時間は部活帰りっぽい
高学年の小学生がやけに多いんだ

長い坂道を渡りきると
小学生が少なくなって
代わりに大きな大学が見えるんだ

私には到底手が届かない
頭の良い大学