「本当に、お一人で大丈夫なのですか?せめて護衛の一人でもお付けになれば」
「いや、その必要はあるまい。しばらく様子を見て安全そうなら接触してみよう。大丈夫、危害は加えられないだろう」
「そうですか、では、自分はこれで戻ります。どうか、お元気で」
「世話になったね、ありがとう。皆にもよろしく伝えて欲しい」

送迎担当官と別れた後、この世界の情報を探る為、先ずは役所と思われる建物に向かった。氏名と身分を告げると、待合室で待つように指示された。
しばらくすると、係りらしい人物が、固定資産税をはじめとする、もろもろの延滞金の請求を押し付けた。その額を見て、髪もヒゲも真っ白になってしまった。
「あっ、それからこっちが住民税の分です、はいっ浦島さん」