私は、教室にゆっくり戻った。 『莉依ちゃん!!』 『実玖ちゃん!』 『心配したんだよ。どこ行ってたの?』 『ごめんね。ちょっと迷子になっちゃった』 『もうっ!!莉依ちゃんはおっちょこちょいなんだからっ』 『何それぇ~』 私は、実玖ちゃんと笑った。 さっきまでの涙が、嘘のように乾いていた。 龍斗君。 大好き。 そんな気持ちが… 確かにあった…。