『ねぇ…』
『なっ…何っ』
『俺、最近心臓が痛いんですよ…。何か病気ですかね?』
『えっ?!マジで?!大丈夫?!』
私はバッと龍斗君の方を向いた。
龍斗君は少し苦しそうに胸をおさえていた。
『何か、鼓動が早くなってる感じがするんですよ…。…確かめてみます?』
『えっ?!』
『手、借りますよ』
龍斗君は私の手を優しく取り、自分の左胸に当てた。
『ちょっ…?!何してんのっ…』
私が手を離そうとしても、ビクともしなかった。
『分かります?』
分かるわけないでしょ!!
私が顔を真っ赤にして動揺していると、まるで心の中を見透かしたように、笑って言った。
『分かんないですよね。じゃぁ、これなら分かります?』

