「さぁ~て、この小僧をどうするかなぁ~?」
大人たちは上から俺を睨む。
「良いダシができそうだな。」
「いやいや、料理屋。
ダシにするのはもったいない。
ここは俺が大工の仕込みをさせたほうが…」
「いやいや、こいつは手が器用そうだ。
私の仕立て屋のほうで働かせたほうが…」
「わしの果物屋で…」
「わたしの雑貨屋で…」
大人は言い合いをする。
あの時もそうだ。
オレがまだ小さい頃、
親はいっつもオレの教育の事で言い合いをしていた。
オレは後を継がない。
オレは絶対、大人の言いなりにならない。
そう決めて、夢を追いかけて家を出た。
それなのにここで終わりかよ。
こんな所で大人にこき使われて暮らさなきゃいかないのかよ。
これじゃあ、親の後を継いだほうがマシだ…。


