「服着ろ。」


ハッと3人は周りをみる。

女の人たちのクスクス笑う声に

自分のパンツ一丁姿を見て人売りたちは顔を酢だこのように赤らめる。



「ほれ!すぐに着ろ!!」

あたしは荷台にある奴らの服を投げた。



3人組は慌てて服を着始める。







「お嬢、サチさんの様態は順調に回復しています。」


騒がしい中、ヒカルの声だけは落ち着いていた。


ユウはサチの様子を見に行ったらしい。



「さて、出発するか、ヒカル。」


あたしは大きく伸びをした。


「ユウ兄は?」


「置いてく。」


「えっ!?」


伸びをしたら、あくびが出た。



「ここで少し仮眠を取って夜中にはここを出よう。


ユウはサチと一緒にここに居たほうがいい。」



それを聞いてヒカルは微笑みうなずいた。


「少し寂しいですが、正しい判断だと思います。」



あたしは遠くから馬車を見つめる。



馬車を覗きこんで中に居るサチと話しているユウの表情は


可愛らしい男の子みたいだった。