やはり僕にとってはすべて“昔話”に過ぎない。


「いやいや、その海賊は逃亡したさ。

なんとも海賊らしい」


っと、言われても海賊らしさなんて僕に知らない。


「悪い奴をやっつけたのは

当時の国王の兄さ」


「へぇ、そこはかっこ良く国王なんじゃないんだ」


「そう言っている奴もいる。

しかし本当は国王の兄さ」


「そうなの?」

「ああ。私はその兄に恩があるからな」

「え!?じいちゃんって有名人と知り合いなの?」

「はっはっはっ」


じいちゃんは自慢げに笑う。