黒く滲んだ胸。

あたしは短剣を抜き取る。


「ぐはっ」


女は倒れる。


「2年間。プリンセスマナーの勉強

ばっかりしてたわけじゃないんだよ」


苦しそうに女は息をする。


「でも、急所は外しているじゃない・・・」


「そうね」


あたしは短剣に付いた

黒い液体を振り払った。




「プリンセスは人殺しなんてしかないから」