「私、サチって言います。


この村の鍛冶屋をしています。」



「あたしゃ、ライナ。


一応、ラフランス王国の姫だけど


伝説を作るため旅をしているのさ!」




「僕はヒカルと申します。


お嬢の執事として旅にお供させていただいてます。」




・・・・・。



「次、ユウだぞ?」



「うおっ」っとユウは驚く。


さっきからずっとボーっとしている。



なんかユウらしくないな。




「えっと…名前はユウ。


ピーナッツ国の戦士だったけど逃げ出して来た。」



おぼつかない口調。



それにサチは「ひぃ」っと反応した。



「ピーナッツ国…。」



サチの体が震える。


家の中は暖炉で暖かくなっているのに。




「ピーナッツ国がどうかしたんですか?」


ヒカルが問うとサチはゆっくりうなずいた。




「私…さっきの男の人たちにピーナッツ国に


連れて行かれそうになったんです。



そして、そこで私は奴隷として武器を作らされてしまうんです…。」




サチは歯をガタガタさせる。


"奴隷"、あたしにはピンとこないけど恐ろしい事なんだろう。




「なんで…そんな事をピーナッツ国が・・・?」



「ここ…キミノ村はピーナッツ国に占領されているんです。


そして、私以外の若者は全員、奴隷として連れて行かれました。



ピーナッツ国の国王は戦争好きでいろんな町や村を占領しているんです。



今度のターゲットはバター町で・・・。」




サチは話している途中、くらりとよろめいた。


ヒカルがサチを支える。




「さっきの男の人が言ってたんですが、

彼らは物凄い兵器を作るようです…。」




サチが言い終わるとユウは思い立ったように立ち上がった。






「俺、ピーナッツ国の国王と話しあってくる!!」



「えっ!?」



ユウの目からして冗談を言っているようではない。