「お前ら離せよ。」
おっさんたちの腕をつかみ睨みつけるのは
ユウだった。
「なんだお前?こいつの知り合いか?」
「なんだっていいだろ。いいから去れ。」
ギリギリとおっさんの腕をつかむ
手の握力が強くなっていくのが分かる。
「なんだよっ!お前ら!ひとまず退散するぞ!!」
怯んだおっさんたちは舌打ちをして逃げて行った。
「ユウって人助けするんだな。」
ひょこっとユウの顔を見た。
「んだよ、したっていいだろっ///」
あれ?
照れてんのか?
ユウの顔が赤い。
「たっ助けてくれてありがとうございます!!」
女の人が戸惑いながらも頭を下げた。
「あっ、あの…どちらさまだか分からないんですけど…」
「あはは、あたしらはただの旅人だよ♪」
女の人は急に血相を変える。
「そんな縁もゆかりもないのに…
どうぞ!上がってください!!」
そうあたしたちを灰色の家に呼び込んだ。
家の中は暖色で染まっていた。