―パタン。 ヒロは出て行った。 沈黙が息苦しい。 「それがどうした?」 ライナが首をかしげる。 しかし、俺とサチは理解した。 理解して、混乱する。 ウソだろ?ウソなんだろ? それはどこかのおとぎ話のお話だよな? なんでそんなこと俺達に隠してたんだよ。 俺は脳裏に浮かんだ言葉を一つ呑み込んだ。 ヒロが…王族の長男だった…?―