するとコンコンとノックがされた。
「はい…。」
僕は剣に手を置いて返事をした。
ドアを開けたのは偉そうな兵士だった。
「ガザニエル大佐、準備はできましたか。」
「ああ、できた。行こうか。」
大佐?
なぜ大佐が執事服を着ている?
いや…よく見ると執事服ではなかった。
どうして気づかなかったんだろう…。
これは海軍服だった。
「着いてきてください。」
兵士に連れてこられたのは奥の奥の部屋。
「どうぞ。」
兵士はドアを開け、僕はその部屋に入った。
「やぁ、結構待たせてくれたねぇ、ガザニエル大佐。」
机に向かっていた白髪頭の丸メガネをかけたおじいさんが
僕を見てニヤリと笑う。
「いや…ヒノッツェル君か。」
「どうしてその名を…。」
僕の本名は僕が遣えるクリスティーヌ王族以外知らないはずだ。
カドル・ヒノッツェル
それが僕の本名。
"ヒカル"と言うのはお嬢が付けた愛称だ。
「まぁ、そこにある椅子にも腰掛けて座ってくれ。
私はブーガル。海軍副将だ。よろしく。」
副将と名乗るおじいさんは攻撃する気配はない。
僕は近くにあった椅子に腰かけた。


