なんて思ってると卓都はいつの間にかあたしの前にある椅子に座っていた。
いっ…いつの間に!!?
「ちょ…近いから!!!」
と言うあたしの訴えも無視して、卓都は口を開いた。
「お前…山川要だろ」
「さっき自己紹介したじゃん!!」
「聞いてねぇもん」
ムカッ…!!
ウザイな…こいつ…(怒)
「山川要よ!!」
「…ふーん。」
な、何だよ。
その気の抜けた…返事!!
興味無いなら聞くんじゃねぇよ!!!
卓都は股の間に両手を付き、少し身を乗り出してあたしの顔を覗き込んだ。
…っ!!
だから、コイツ格好良すぎるんだって…
何て思いながら、いくら男嫌いのあたしでもこんな格好良い奴に見つめられたら顔も赤くなる。
「お前…俺の女なる?」
はあ…?!!
誰が…
「だ…誰がなるかー!!!!」
ボカッ!!!
「痛てぇ!!てめぇ」
と言ってあたしに触ろう…いや、襲いかかろうとする卓都を
「触んなよ!!!」
と指をさしながら言うと卓都は大人しくなった。
「ってか…絶対お前俺の事好きになるよ」
「んな訳あるかっ…調子乗んな!」
まさか、本当にその通りになるとは…この時はまだ気付くわけ無かった。

