アルタイル*キミと見上げた空【完】


数時間後私は暗くなる部屋の中でベッドに横になっていた。



何度も同じ言葉を頭の中でリフレインさせながら。



『結婚相手が決まってる』



修ちゃんがアメリカに行くのを援助してくれるスポンサー。


その娘さんと婚約してるらしい、という噂。



いつも修ちゃんがコーチとして皆に伝えてる


「チャンスは絶対にものにしろ。あきらめるな。どんなことがあっても」


という言葉が急に現実味を帯びて思い出された。


そして、決定的だったのは・・・



『なんで、なんでそんなことまで知ってるんですか?』


という私の質問になんでもないように答えたサオリさんの言葉に、私は身動きがとれなくなったんだ。


『私?私、マネージャーだし。それに・・・修也とも付き合ってたことあるから』



修ちゃん、ひどいよ。


全然知らなかった。


アメリカに行けたらいいなぁ、って聞いたことはあったけど、


そんなに本格的に動いてるなんて・・・全然知らなかった。


そして、結婚が決まった人がいるってことも。