アルタイル*キミと見上げた空【完】


カレーのにおいが漂い始めた頃、



「休憩しようか」



サオリさんがコーヒーカップを二つテーブルに置いた。



立ち上る湯気とコーヒーの香りが私の鼻をつく。



先に腰掛けたサオリさんがにこっと笑って私を促した。



椅子に座ると同時に、サオリさんがコーヒーを口に運ぶ。


・・・本当に、綺麗な人だなぁ。


オトナっぽいよね・・・。



「ん?」


ぅわっ!見てるの気づかれた。


慌ててコーヒーを口につけて熱さに飛び上がりそうになる。


「わっ」


「大丈夫?」


くすくすと笑いながら私をみるサオリさん・・・・


そして口を開いた。