「ほら!あそこ・・・」 よーく目を凝らしてみると、グレー色の空にポツンと光るものが見えた。 「あ・・・」 「やりぃ。一番星。俺の勝ちね」 驚いて横をもう一度見ると、本当に嬉しそうな顔をしてるその笑顔に、つい噴出してしまったんだ。 私より年上のはずなのに、まるで子供みたい。 小さい頃、よく競い合うように一番星を見つけてたあの夏の日々が思い出されるようだった。