「汐っ」 「・・・・?」 チャリンッ 音がして、修ちゃんの手から何かが弧を描いて、とっさに伸ばした私の手の中に飛び込んだ。 これ・・・。 手の中から目を上げると、修ちゃんがこっちを見つめて笑ってた。 もう一度掌を開くと、ちいさいボールが照明の下光ってて。 「修ちゃん・・・・」 「汐。自由になれ。俺は、もう大丈夫だから」 涙が、ぽろぽろと頬を伝って落ちて、それはキーホルダーを握り締めた掌をぬらしていく。