あ……。 そういわれて、目を落とすと、ぎゅっとバッグをにぎりしめてる私の左手を修ちゃんの大きな掌が包んでいた。 胸のざわつきは収まりそうにないけど、さっきより少しだけ、体のふらつきはなくなったような気がする。 「あいつは大丈夫だから」 まっすぐ前を向いて、つぶやいた修ちゃんの言葉に、そしてその険しい表情に、やっぱりこれは夢なんかじゃないんだ、と改めて思う。