抱きしめてくれる凱の腕の中で、私はようやく息を緩やかに吸い込んだ。 トクントクン・・・・ これは、凱の心臓の音? ううん。私の? 凱の胸から私の心臓の音が聞こえる。 穏やかで、力強い響き。 「汐・・・また見に行こうな。今度晴れたら絶対に見に行こう。あの空を。星を・・・」 「ん・・・」 小さく頷いた私の頭を凱は一度優しく抱きしめなおしてくれた。 うん。 見に行こう。 あの日見たあの空を。 キミと一緒に・・・・。