アルタイル*キミと見上げた空【完】


・・・・・その後、店を出た私に、照らされた車のライト。


まぶしくて目を細めると、ライトをピカピカと点灯させてみせるのは・・・凱。


本当・・・バカなんだから・・・。


「お姉さん、可愛いね。乗ってかない?」


助手席の窓を開けて顔を覗きこむ凱は、やっぱりバカだ。


けど、やっぱり、私の気持ちをわかってる。


乗り込んだ私が車のドアを閉めた瞬間に、頭をよしよしとなでてから、何も言わないで車を発車させた。


そして、大きくするカーステレオの音量。


やっぱり・・・・


辛かったよ。


辛かったよ、凱。


そうやって、凱は私の家につくまでずっと何もいわないでいてくれたんだ。


窓を眺めたまま、止まらない涙のわけを・・・・・・やっぱり凱はわかってる。