いた! 小走りで近寄る私に合わせて、車のライトがひとつ落とされた。 私は車のドアに手をかけ、助手席に乗り込んだ。 「おつかれ」 甘くて優しくて・・・私の大好きな声。 サングラスを外してにこっと笑うその顔は。 さっきまでの少し厳しい横顔とは全然違って・・・ 「修ちゃんも、おつかれさま」 そう、修ちゃん・・・私の彼氏は修也。 さっきまで体育館にいた、栗原コーチその人だったりするんだ。