アルタイル*キミと見上げた空【完】


変わっていく窓からの景色に、慣れない車のにおい。


そして・・・・


「凱、運転なんか、できたんだ・・・?」


「は?なんだよ。できて悪ぃか」


「悪くはないけど、なんだか意外で・・・・」


「はは・・・・てか、日本の道を走るの今日で初めてだけどな」


「え?」


だ、大丈夫?


「大丈夫だって、言ってるだろ?」


「な、何も言ってないよ」


「わかるんだよ・・・・お前の考えてることなんか・・・・全部な」


「・・・・・・・」


「大丈夫だから。俺を、信じて」


・・・それなら、私もわかるよ。


凱の考えてること。


今の言葉に込められた思いも。


だから、今は素直に答えるね。


「うん・・・・」


「よろしい!」


くしゃくしゃと頭を撫でられたその下で、やっぱり涙をこらえるのに必死だったんだ。