「うん」
今度こそ軽蔑されるだろうか。
思わず再び落とした目線の先で、カップの湯気がふっ、と揺れたような気がした。
「やっぱり・・・・」
「・・・・・?」
大きく息を吐いて、凛が驚いた私の顔を見つめる。
「昨日・・・合同練習の日でもないのに、凱くんがすごい形相で体育館に入ってきてさ・・・多分汐を探してたんだと思う。トモに何かを言ってからまた飛び出して行っちゃったからさ・・・・そっか・・・凱くんは汐を見つけることができたんだ・・・そっか・・・・」
そんなことが、あったんだ・・・・。
「汐・・・凱くんのこと・・・・好き、なの?」
「・・・・うん」
「そっか~・・・・」
頷きながら顔を上げた凛の表情が私の方を見て固まる。
?
ちがう、私じゃない。
もっと奥。その奥・・・・。
つられてゆっくり頭を回すと、立っていたのは・・・・
「サキちゃん・・・・・・」
青い顔をしたサキちゃんだった。

