アルタイル*キミと見上げた空【完】


目の前の凛が顔を少ししかめる。


「じゃぁ、昨日はどうしてたの?」


「うん・・・・・」


うつむくと、カップの中のコーヒーにまだミルクの筋がマーブル模様で舞っている。


言わなきゃ。


「私ね、昨日、修ちゃんに振られちゃった・・・えへへ。婚約は、なしだって」


「え?」


凛はくりくりの目をもっと大きくして私を見つめる。


「修也さんが?なんで・・・?・・・・・って・・・昨日は・・・・」


「・・・・・」


「もしかして・・・・?」


不思議とこの先、凛の言いたいことはなんとなくわかった。


私がうなずくのと、凛が小さくつぶやくのとほぼ同時だった。


「もしかして・・・・・・凱、くん?」