「私、話すよ。修ちゃんにも……サキちゃんにも…」 「は?なんでサキの名前が出てくんだよ」 わけがわからない、というように凱は目を細めた。 「キスのことなら、さっき言ったろ?けど、俺はもうさせる気はない、って…」 「ちがうよ……凱気がついてないの?……サキちゃんは凱のことが好きなんだよ…?」 「え……?ちょ、ちょっと待て。あいつは最高の男友達だね、っていつも…」 「鈍感すぎるんだよ……昔から」 しばらく困惑したような表情をみせていた凱はぎゅっ、と目を閉じて、くそっ!とだけ吐き出した。