アルタイル*キミと見上げた空【完】


離れる凱の口元が、


ヤバい


とつぶやいたように見えた。



「これ以上は、今は無理」


「凱?」


「押し倒したくなる」


「は?…ちょ、ちょっと…」


あわてて軽く身をよじると、凱はうつむいて大きく息を吐いた。


「冗談だよ。でも……本当に…もう離したくない」


「凱……」



そうやって顔をあげた凱の表情は、どこか切なげで、思わず胸がドクンとひとはねした。



駄目だ。


この瞳に見つめられると、何も考えられなくなっちゃう。


多分…私たちの前にあるいろんな問題も、


乗り越えなきゃいけない壁も、


何もかも、放り出してこのまま凱と一緒にいたいよ。


そして……きっと凱も同じことを考えてる。


だから、私たちは…