「……って、お前見てたの?」
「う……、うん。ごめんっ!」
そう言うと、凱は私の鼻に自分の鼻をくっつけた。
「また、ごめん、って言った。言うな、って言っただろ?」
「ごめん…あ……で、でも。見ちゃったから……見たもんっ!」
「ぷっ!なんでお前がキレてんだよ」
くすくす、という笑いに、不思議とさっきまでの不安な気持ちが少し薄れてくるように思える。
「サキはさ、誰にでもああだよ」
「え?」
「あいさつ、だって。他のメンバーにもやってるぜ、よく。普通なんだ」
「………」
「俺はいやだ、って言ってるんだけどな。どうしてもそこが日本人だからさ。感覚的に」
って……。
もしかしたら、
ううん。絶対に……

