零れ落ちそうになる涙を、夕暮れを覆う曇り空を見上げてこらえた。
・・・今日は、星がみたかったな・・・・・。
何年ぶりかに思うその感覚に、相当自分がダメージを実はうけてるんだな、と思い知らされて、逆に笑いが出る。
・・・・何を、してるんだろう。
震える感触に、それは自分のものじゃなくて、バッグの中から聞こえてるものだと気づいて、のろのろとディスプレイを開いた。
修ちゃんっ!
急に目が覚めたように、あわてて電話を耳にあてると、
「汐・・・?」
外からなのか、少しくぐもった修ちゃんの声が聞こえた。
「修ちゃん?今どこ?どうしたの?」
「汐・・・ごめんな」
ごめんって・・・。
「修ちゃんが、悪いわけじゃないもん。そうでしょ?」
「・・・・・・・」
「修ちゃん?」
沈黙の後ふうっと、息を吐き出した音がした後、修ちゃんは言ったんだ。

