「俺らさ・・・修也コーチにあこがれて・・・だから、昔なんで修也さんはアメリカ行かなかったんだろうな、って言ってたことがあったんだ。だから・・・こんなこと言ったら悪いけど、女性関係でその夢をあきらめた、って話が本当だったらがっかりだし・・・・」
「修ちゃんはっ!・・・・・栗原さんは・・・そんな人じゃ、ないよ・・・」
思わず出した大声に、本当は自分が一番びっくりしてた。
「ごめん・・・それはわかってる。わかってるけど・・・ごめんね、今から失礼なこと言うけど・・・・・・」
そう言って彼はすぅっ、と息を吸ってから言葉を切り出した。
「今さ、皆いい感じで調整できてきてると思うんだ。そんな時に、その・・・なんだけど、正直堂島さんがいると、ちょっと集中できにくい、というか」
「は?どういう意味よ、それ」
飛び掛りそうになる凛を、やっとのことで、Tシャツの裾をひっぱって止めた。
「修也さんの夢をつぶした人に、いてもらいたく、ないんだ。そんだけ・・・俺らはコーチが、コーチのバスケが好きだし、好きだったから、さ・・・」
「ちょっと!!いいかげんに・・・・っ」
「いいよっ!・・・・いいよ、凛。本当のことだもん。そうだよね・・・ごめんね、無神経だったよね。知らなきゃいいってことじゃないよね・・・うん。あの記事に書いてある昔のことって本当だよ。けど、修ちゃんに悪いところは全然ないの。全部・・・私が悪いんだ」
「汐・・・・」

