アルタイル*キミと見上げた空【完】


凛が開いた雑誌の中には・・・


『バスケットの黒い王子』


と題されて、修ちゃんの記事が載っていた。


中身は、


「ひどいよ・・・こんな・・・・・・・」


凛が涙ぐむくらい・・・


表面的には修ちゃんを持ち上げてるんだけど、その文面は嫌味と憎悪に満ちているもので・・・。


そして、4年前のケガのことも。


修ちゃんが起こした暴力事件を学校側はもみ消したと言うこと。


その後、ケガをした修ちゃんがいかに自分の家の財力をつかってのし上がってきたか、と言うこと・・・。



悔しすぎて涙も出ない。


私はただぐっと握りこぶしを作って記事をにらみ続けた。


でも・・・こんなの今に始まったことじゃないし、修ちゃんをやっかむ動きは今までもなかったわけじゃない。


けど、


こんな雑誌に堂々とこんな風に書かれるなんて・・・。


唇をかんで、バッグの中の携帯電話を握り締めると、雑誌のページをめくった凛が少し青い顔をして私を見つめた。


「え・・・?」